ヘルペスを治すには?治療法を詳しく解説します。

ヘルペスは感染力が高く、感染すると生活の質が低下する病気ですが、適切な治療を受けることで症状の改善を早めることができます。

特に再発した場合においては、違和感などの前駆症状が現れた段階で治療を開始すると、症状が現れないか、現れても軽症で済みます。

治療では抗ヘルペスウイルス薬を使用しますが、ウイルスの増殖を抑える薬であるため、水ぶくれが現れてから48時間以内に治療を開始することが推奨されています。

ヘルペスの検査

ヘルペスの検査は、症状が出ている場合と出ていない場合で異なります。

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症状が出ている場合

ヘルペスの診断は容易で、通常では臨床症状のみで診断しますが、帯状疱疹や毛嚢炎などと鑑別するために、ウイルス分離法やウイルス抗原検出法、ウイルス核酸検出法といった検査方法を用いることがあります。

検査は15分程度で費用は8,000円前後です。

症状が出ていない場合(潜伏を調べる)

ヘルペスの症状は現れていないが、ヘルペスウイルスが潜伏していないか調べたいという方は、抗体検査を受けましょう。

抗体検査は採血後、一週間程度で結果がわかります。検査費用はこちらも8,000円前後です。

ヘルペスは主に薬物治療で治す

ヘルペスには、単純ヘルペス(単純疱疹)と帯状疱疹があり、どちらも基本的に抗ウイルス薬の全身投与を行います。

抗ヘルペスウイルス薬には、ファムシクロビル、アシクロビル、バラシクロビルなどがあり、ウイルスDNAの結合・延長を阻害して増殖を防ぎます。

頻繁に再発する場合や重症化しやすい場合には、内服薬の服用がおすすめです。内服薬は5日間飲むことになりますが、それ以上続けても効果は代わりません。

また、神経節に潜伏しているウイルスまでは退治できないため、生涯にわたって再発を防ぐ薬ではないので注意しましょう。治癒までの期間を早めることはできるので、できれば水ぶくれが現れてから48時間以内に飲むようにしてください。

帯状疱疹の場合

帯状疱疹の場合も抗ヘルペスウイルス薬を使用します。無治療の場合は治癒に約3週間かかりますが、内服薬を飲むと1週間~10日程度で治癒に至ります。

早い段階で内服薬を飲むことで、水膨れがただれたり潰瘍ができたりすることによる痕が残るのを防げます。また、帯状疱疹の治癒後に痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」のリスク低下にも繋がります。

主な抗ヘルペスウイルス薬

下記が主な抗ヘルペスウイルス薬となります。

抗ヘルペスウイルス内服薬の飲み方
単純疱疹の場合 帯状疱疹の場合
ビロビル250mg

(ファムビルジェネリック)

1回1錠を1日3回 1回2錠を1日3回
セントレックス500mg

(バルトレックスジェネリック)

1回1錠を1日2回 1回2錠を1日1回
ゾビラックス200mg 1回1錠を1日5回 1回4錠を1日5回
バルトレックス500mg 1回1錠を1日2回 1回2錠を1日3回

軽症の場合は、アシクロビルやビダラビンなどを含む抗ヘルペスウイルス外用薬を使用することがあります。しかし、抗ヘルペスウイルス外用薬の使用によって耐性ウイルスの発生リスクが増加する恐れがあることがアメリカのFDAより警告されているため、内服薬を使用することがおすすめです。

また、重症例や内服薬が効かない場合には、使用している内服薬の変更や点滴注射、入院治療などを検討します。

ヘルペスは完治しないので再発に注意が必要です

ヘルペスの症状は時間の経過や治療によって軽くなりますが、ヘルペスウイルスは完全には死滅せず、三叉神経節というところに生涯にわたって潜伏し続けます。これを潜伏感染といい、一生ヘルペスの症状のコントロールをし続けることになります。

ヘルペスの治療では、ウイルスの増殖と再活性化に関わるDNAポリメラーゼを阻害する抗ウイルス薬による薬物療法を中心に行います。ヘルペスウイルスの増殖を抑えることができますが、神経節に潜伏しているヘルペウイルスに対しては効果がないため根絶することができません。したがって、ヘルペスは完治しません。

頻繁に再発する場合には、「再発抑制療法」を検討します。

ヘルペスの予防法と再発防止方法

ヘルペスは接触感染するため、最も有効な予防法はヘルペスウイルスへの接触を極力避けることです。

また、ヘルペスの再発を防ぐには免疫力を高めてウイルスの悪化因子を排除することや、ワクチンの接種が有効な方法です。

ヘルペスウイルスとの接触を避ける

水ぶくれなどヘルペスウイルスが排出されている部分に触れないようにするだけではなく、以下の様なことに気をつけて、間接的にも触れないようにしなければなりません。

  • ヘルペスの感染者が使用したタオルや食器などを共用しない
  • 自分のヘルペスに触れた手で他の部位に触れない
  • 外用薬を塗布した手で他の部位に触れない

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免疫力を高める

体力や免疫力の低下をきっかけにヘルペスが再発するので、過労やストレス、発熱、偏食、日焼けなどに注意しましょう。再発した場合、初感染の場合と比べて症状は軽いですが、生活の質は低下します。そのため、水痘ワクチンの接種や規則正しい生活などを心がけ、再発を防ぐことが大切です。

具体的には次のようなことに気をつけましょう。

ストレス

免疫力はストレスによって低下する場合があります。

睡眠や休息、自然の中でリラックスする、ヨガ、瞑想など様々な方法でストレスを解消させましょう。また、適度な有酸素運動には、ストレス解消の他に免疫力の向上も期待できるので、ヘルペスの予防に役立ちます。長く続けることが難しいので、友人や家族と一緒にするなど工夫しましょう。

疲れ

疲れが溜まることで体力と免疫力が低下します。

疲労を回復させる方法は良質な睡眠しか無いことが医学的事実として判明しています。睡眠時無呼吸症候群のように睡眠の質を低下させる病気がある場合は、疲れが溜まりやすくなりますので、まずはクリニックで治療を受けたり日常生活を見直したりして、良質な睡眠をとれる状態を整えることが大切です。

風邪

風邪をひくとヘルペスウイルスが活性化することがあります。風邪とヘルペスウイルスの活性化を防ぐために、免疫力を高めましょう。栄養バランスに優れた食事と適度な運動などを習慣づけることで、基礎体力と免疫力の向上が期待できます。

そして、風邪を防ぐために、手洗い・うがい、温度と湿度の調節、マスクの着用など対策しましょう。

紫外線

強い日光を浴びると、皮膚が紫外線によってダメージを受けます。すると、ウイルスが再活性化してしまうことがあります。外出時は日焼け止めクリームを塗るだけではなく、日傘や帽子などでも紫外線対策をしましょう。

ワクチンを接種する(帯状疱疹の場合)

帯状疱疹の場合、50歳以上の方を対象に水痘ワクチンを接種することが認められています。

アメリカで行われた疫学調査では、水痘ワクチンの接種により、帯状疱疹の発症そのものの確率が下がり、帯状疱疹後神経痛の発症率や重症化のリスク低下が認められたことが報告されています。

ちなみに、単純ヘルペスのワクチンは開発されていませんが、局所殺菌剤と共に研究されているため、将来的に開発される可能性があります。

再発抑制療法でヘルペスを予防する

年6回以上も性器ヘルペスを再発する場合は、「再発抑制療法」が検討されます。

再発抑制療法は、ヘルペスウイルスを抑制することで、再発予防やヘルペスウイルスの排出を防ぐことを目的としています。

再発抑制療法では、低用量のバルトレックス(成分:バラシクロビル)などの抗ヘルペスウイルスの薬を長期にわたって服用することで、再発の頻度を下げ、ウイルスの排出による周りの人への感染拡大のリスクを下げることができます。ある報告によると、再発率を70%以上も低下させ、無症状でのウイルスの排出を6割減少させたとのことです。

治療期間は半年~1年で、再発の頻度や症状の程度を見つつ、治療を続けるかどうかを決定します。保険適用の治療なので、気軽に受けることができるでしょう。

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