ヘルペスお薬ナビ

ヘルペスは非常にポピュラーなウイルス感染症です。ヘルペスウイルスは感染力が強く、WHOによると最も一般的な口唇ヘルペスは、世界で37億人以上の感染者がいると推測されています。
ヘルペスは一度感染すると完治する(ウイルスを完全に死滅させる)ことはできませんが、抗ヘルペスウイルス薬の登場により症状を軽減できるようになっています。
早い段階で治療薬を投与することで、発症を抑えたり再発を防いだりすることに繋がり、発症しても治癒までの期間を短縮できます。そのため、ヘルペスになっても諦めずに早い段階から治療を受けることが大切です。
当サイトでは薬を使ったヘルペスの治療を詳しく案内していますので、治療の参考にしてください。

ヘルペスの症状と種類は?

ヘルペスには、単純疱疹(単純ヘルペス)と帯状疱疹(帯状ヘルペス)の2種類があります。

関連リンク: ヘルペスとはどんな病気?その症状と種類は?

単純疱疹(単純ヘルペス)

単純疱疹は単純ヘルペスウイルスの接触によって感染します。潜伏期間は3~7日で、唇の周りやお尻、陰部などに赤い発疹や水ぶくれの集合体が発生します。痛みやかゆさの他、チクチク、ムズムズといった違和感をともないます。さらに、リンパ節の腫れや排尿障害など全身に様々な症状が現れることもあります。

単純疱疹は、単純ヘルペス(HSV)とも呼ばれ、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)によるものと単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)に分類されます。

単純ヘルペスウイルスは、全身のどこにでも感染し、次のように分類されています。

  • ヘルペス性歯肉口内炎
  • 口唇ヘルペス
  • 角膜ヘルペス
  • 顔面ヘルペス
  • ヘルペス性ひょう疽(手指のヘルペス)
  • 臀部ヘルペス
  • 性器ヘルペス
  • ヘルペス性脳炎

日本皮膚学会の統計では、口唇ヘルペスが最も頻度が高く、次いで再発型性器ヘルペス、顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症の頻度が高くなっています。

単純ヘルペスウイルス1型の感染による代表的なヘルペス感染症は、口唇ヘルペスです。口の周りや唇に赤い発疹や小さな水ぶくれが現れ、痛みを伴います。単純ヘルペスウイルス2型によって引き起こされる代表的なヘルペス感染症は、性器ヘルペスです。性器やお尻の周りに水ぶくれができます。

なお、単純疱疹は、単純ヘルペスウイルスに対する抗体を持っていても再発をくり返します。再発率は1年で20%程度と高いため、再発防止を心がけることが大切です。

関連: 単純疱疹(HSVウイルスによるヘルペス)

帯状疱疹(帯状ヘルペス)

帯状疱疹は、過去にかかった水ぼうそうのウイルスが再活性化し、水ぼうそうとは異なる形で症状が現れる感染症です。

水ぼうそうのウイルスは、ヘルペスウイルスの一種(水痘・帯状疱疹ウイルス)です。神経に沿って帯状に水ぶくれが現れるため、帯状疱疹と呼ばれています。最大の特徴は「痛み」で、最初に現れる症状です。

発症後約2週間でかさぶたが張り、約3週間でかさぶたが剥がれて治癒に至ります。帯状疱疹の再発率は生涯を通して約1%程度と、単純ヘルペスと比べて低くなっています。

関連: 強い痛みを伴うヘルペス(帯状疱疹)

 

ヘルペスになる原因は?

単純ヘルペス(HSV)のウイルスは非常に強い感染力を持ち、基本的に接触によって感染します。また、ヘルペス患者が使用したコップやタオルなどを共用することでも感染することもあります。

帯状疱疹は、体内に潜伏している水ぼうそうのウイルスが再び活動を始めることによって引き起こされます。過労やストレス、風邪などで免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが活動を再開し、神経に沿って帯状の水疱が現れます。

接触によって感染するのは単純ヘルペスだけで、帯状疱疹は接触してもうつることはありません。ただし、これまでに水ぼうそうになったことがない場合は、水ぼうそうが起こる可能性があります。また、帯状疱疹は1%という少ない頻度ではありますが再発することがあります。

関連: ヘルペスの原因と感染経路を詳しく解説します

子供がヘルペスに感染する原因

ヘルペスウイルスは、ほとんどの場合において乳幼児期に感染します。また、妊婦が性器ヘルペスに感染したまま出産した際に、胎児にうつることもあります。

子供の頃にヘルペスウイルスに感染すると免疫が作られるため、発症しても軽度で済みますが、大人になってから初感染すると重い症状が現れる場合があります。

子供が単純ヘルペスウイルス1型に初感染した場合、ヘルペス性歯肉口内炎として症状が現れることが多いとされています。

ヘルペス性歯肉口内炎では、急な高熱が2日~1週間近く発熱が続き、その後に歯肉の赤みや腫れ、疼くような痛み、歯肉からの出血などがあり、発熱後3日以上が経過したころには明らかな歯肉炎・口内炎となります。口の中や喉の痛みによって満足に食事・水分の接種ができなくなり、脱水症を起こすことがあります。

ヘルペスが治癒し、症状が収まるとウイルスは三叉神経節に潜伏します。成人になってから体力や免疫力の低下をきっかけに再活性化すると、口唇ヘルペスなどを発症します。

関連: 子供もヘルペスに感染する?子供のヘルペスを解説

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスは、唇やその周りにできるヘルペスです。唇にヘルペスウイルスが接触することで感染するため、ヘルペス患者とのキスや日用品の共用も感染経路となります。

赤ちゃんが口唇ヘルペスに初感染した場合は、ヘルペス性歯肉口内炎をきたし、口内炎が多発することがあります。

関連: 唇や口にできたヘルペス(口唇ヘルペス)

性器ヘルペスの原因

性器ヘルペスは、主に性交渉で感染します。単純ヘルペスウイルス2型への感染が原因で、女性の感染率は男性の約2倍といわれています。

潜伏期間は2日~21日で、その後に外陰部の不快感やかゆみなどの前駆症状が現れ、その後に38℃以上の発熱やリンパ節の腫れ、強い疼くような痛み、全身倦怠感などの症状が現れます。女性が発症すると、排尿時に痛みを伴うようになり、生活の質が大きく低下します。

このような症状が現れても多くの場合、性器ヘルペスによるものと気づくことができず、パートナー以外との性交渉により無自覚に感染を拡げてしまうことがあります。多彩な症状が現れるうえに、くり返し再発するため、精神的な苦痛が大きいことが問題です。

関連: 性器にできたヘルペスは性病?性器ヘルペスの症状と治療方法

ヘルペスになったらすぐ治療を!

ヘルペスはそのまま放置するとあなたのQOL(生活の質)を大きく低下させてしまいます。ヘルペスを完治させる治療法は確立されていませんが、適切な処置を受けることが大切です。

再発の場合、前駆症状が現れている段階で治療を開始することで症状を抑えることができます。治療は薬物療法が中心で、必要に応じて食事療法や再発抑制療法などと組み合わせて行います。

ヘルペスウイルスの感染を防ぐことを心がけることで感染リスクを低下させられます。また、水痘ワクチンの接種により、帯状疱疹の発症や帯状疱疹後神経痛のリスクを抑えることも可能です。

関連: ヘルペスを治すには?治療法を詳しく解説します。

病院のヘルペス治療

ヘルペスは、初めて感染した場合には重症になるケースが多く、また、帯状疱疹では耐えがたい激痛や合併症が起こることがあります。

このような場合には入院したうえで適切な処置を受けることになります。治療は、皮膚科か内科で受けられます。

ヘルペスの診断は、症状を確認するだけで容易に行えますが、ヘルペスウイルスの有無を調べるために、分泌液や血液の抗原検査を行うこともあります。

治療は、基本的に抗ヘルペスウイルス内服薬を使用し、重症の場合は抗ヘルペスウイルス薬を点滴注射します。

また、ヘルペスを周りの人にうつさないようにするための対策や再発予防のアドバイスなどを受けられます。

関連: 病院でヘルペスを治療するには

 

ヘルペスの薬

ヘルペスは、患部の違和感などの前駆症状が現れた段階で治療を開始することで症状を抑えることができます。

できれば水ぶくれができてから48時間以内に治療を開始することが望ましいのですが、神経節に潜伏しているウイルスまでは退治できないため、現在のところ薬を使ったとしても完治はできません。

ヘルペスの治療では、ゾビラックス200mg、バルトレックス500mg、ビロビル250mg(ファムビルジェネリック)、セントレックス500mg(バルトレックスジェネリック)など抗ヘルペスウイルス内服薬を使用します。

薬の飲み方

抗ヘルペスウイルス内服薬は単純疱疹と帯状疱疹を含み、多様なヘルペスにも対応できます。なお、薬の種類によって飲み方もそれぞれ違うので、飲む前はご確認ください。

抗ヘルペスウイルス内服薬の飲み方
単純疱疹の場合 帯状疱疹の場合
ビロビル250mg

(ファムビルジェネリック)

1回1錠を1日3回 1回2錠を1日3回
セントレックス500mg

(バルトレックスジェネリック)

1回1錠を1日2回 1回2錠を1日1回
ゾビラックス200mg 1回1錠を1日5回 1回4錠を1日5回
バルトレックス500mg 1回1錠を1日2回 1回2錠を1日3回

また、急性型など強い症状が現れている場合には、抗ヘルペスウイルス薬の静脈注射を検討します。

なお、年6回以上も再発する場合には、ウイルスの増殖を抑えて症状が現れる前に対処する「再発抑制療法」が検討されます。これは、バルトレックス(成分名:バラシクロビル)を1日1錠、連日内服します。保険適用であるため、少ない負担で受けられるのがメリットです。

軽症の場合は、アシクロビルやビダラビンなどの成分を含む外用薬や軟膏を処方されることがありますが、抗ウイルス外用薬の使用は耐性ウイルスの出現リスクを高めるとアメリカのFDAが警告しています。

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